江戸庶民の家計簿

落語、講談などをさらに楽しんで頂く為に江戸の庶民文化を紹介します

江戸時代は人類の歴史上、類を見ない300年近い泰平の世ですので貨幣価値や社会風俗など、ひとからげには出来ない部分がありますが、あくまで演芸をより楽しむ為の資料としての記事ですので予めご了承ください。

江戸の通貨
金貨は三種類の単位  両、分、朱 (四進法で数える)
銀貨は五種類の単位 貫、匁、分、厘、毛(一貫=千匁それ以下は十進法)
銭貨は二種類の単位 貫、文(一貫=千文 庶民は主に銭貨を使いました)

貨幣価値
凡そ米一石=金一両 = 銀六十匁    現在約 十万円~十五万円
飢饉や幕末期以外はおおよそ金三両位で大人一人約一年暮らせたようです。贅沢はできませんが足る事を知る江戸の庶民は別段困るとも思わず暮らしていたようです。

大工の長さんの家計簿(文政ごろ)
長さんは、大工としてまあまあの腕、真面目で子煩悩、晩酌一合が楽しみな働き者
おかみさん、子供一人と裏長屋で三人暮らし。
おかみさんは、やり繰り上手。

大工一日の手間賃 四匁二分、一年の働きを294日とすると
年収 一貫五百七十八匁六分。年間支出 一貫五百十四匁
一年七百三十四匁六分の貯金ができますが、
「江戸っ子のできそこないが金を貯め」と言われない様、おかみさんは
こっそりへそくりして、それ以外は祭や物見遊山、外食など家族で日々を
楽しむ事に使います。

菜売り(ぼていふり)の熊さん一日の家計簿 小商(こあきない)と言います
働き者の熊さんは一人者、朝夕、天秤棒にかご一杯の野菜を売って歩きます。
真面目で威勢がいいし、良い物を見る目があるのでお得意がついています。
小商はまず七百文の銭を借り道具や仕入れをして商売を始めます。
一日収入 約六百文 支出 利息と生活費で約二百七十八文
三百二十二文残りますが、酒好きの熊さんは翌日の仕入れ分を残して
みな飲んでしまいます。

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